噛み合わせ異常により
引き起こされる症状
頭痛
とくに緊張型頭痛や片頭痛(偏頭痛)などはあごのずれと深い関係があるようです。あごの位置を治すことによって、これらのほとんどものが改善・消失します。頭痛のほとんどの原因は頭の中にはありません。片頭痛や緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)のほとんどの原因は、頭蓋骨の外(頭皮の下)の[すじ](血管や筋肉)にあるのです。
片頭痛とは何か?
片頭痛が起きるメカニズムとして頭の片側に起きることが多く、ズキズキと脈打つ激しい痛みが比較的急に起こって、音や光に敏感になり、吐き気や嘔吐をともなうこともあります。月に1~2回、多いときで1回程度繰り返して起こります。頭痛は4~72時間くらい持続して自然に治ります。女性に多く、家族に頭痛もちの人がいると起こしやすくなります。緊張型頭痛とは反対に、ストレスなどから解放されてホッと気が緩んで筋肉の緊張がとけたときに起こります。片頭痛の前兆として視野が欠けたり、光がチカチカしたりするような現象があらわれることがあります。
頭にきている血管は頭蓋骨の中の脳を養っている頭蓋内血管と、頭蓋骨の外の組織(頭皮、筋肉、目、鼻、耳、口など)を養っている頭蓋外血管の二種類に分かれ、血管にはさらに動脈、静脈、毛細管があります。全身の動脈は自立神経によって支配され、必要に応じてその直径(太さ)が変わるようになっています。
生理的(正常)な目的のために動脈が太くなっても痛みを感じません。しかし、正常な範囲を超えて異常に太くなると、脈に一致してズキンズキンという痛みを感じるようになります。片頭痛では、疲れ、寝不足、ストレス、低気圧などで頭蓋外動脈を支配している自律神経が麻痺して頭皮下の動脈が異常に太くなって頭がズキンズキンと痛くなります(このため片頭痛のことを血管性頭痛ともいう)ぐっすり眠るとスッキリとよくなるというように、発作が反復します。
片頭痛の予防と治療(医科からみて)片頭痛は、食事や睡眠をきちんととらなかったり、睡眠のとりすぎなどによって起こりやすくなります。チーズやチョコレイト、ワインなどは片頭痛を起こしやすくするといわれています。また、緊張型頭痛とは反対に、こめかみや目のあたりの血管を冷やすと痛みがやわらぎます。片頭痛が起こったら、患部を冷やしてできるだけ光の入らないように暗く静かな部屋で身体を休めて安静にしていましょう。
緊張型頭痛とは何か?
緊張型頭痛が起きるメカニズム 日本人にもっとも多いとされる緊張型頭痛は女性に多く、一般的に両側からジワッと締めつけられるような重い痛みです。緊張型頭痛の起こる原因は、たとえばコンピュータ作業をしている人のように長時間不自然な姿勢を続けたり、わるいかみ合わせを続けたりというような身体的ストレスがかかった場合、また仕事関係のトラブルや対人関係、不安などの精神的ストレスによって、頭の筋肉が緊張(こり)して起こると考えられています。頭の筋肉と肩の筋肉は連続しているため、頭痛とともに肩こりをともなうこともあります。
筋肉を長時間収縮されたままにしておくと、筋肉に血行障害が起こり痛みが発生してきます。普通の人は、日常生活のなかで緊張(姿勢筋収縮)とリラックス(姿勢筋弛緩)と上手に組み合わせて気持ちよく生きています。一方、緊張タイプ(神経質)の人は常時緊張していてリラックスすることが極めて少なく、本人はリラックスしていると思っているときでも姿勢筋は収縮したままです。若いときは筋肉も若いのでなんとかそれ(持続的収縮)に耐えられても、中年にもなると姿勢筋も(使いすぎて早く)老化し、背中・首すじ・肩がこって痛みを感じるようになるのです。筋収縮が首すじにとどまらず頭皮下の筋肉にも及べば、[頭が重い(頭重感)][頭が締めつけられたように痛い]といった頭痛が起こってきます。筋肉の収縮・緊張と精神的緊張によって誘発されるので、[緊張型頭痛]とか[筋収縮性頭痛]と呼ばれています(心理的ストレスで誘発される身体の障害ですので、典型的な[心身症]といえます)。緊張型頭痛の予防と治療(医科からみて)前かがみやうつむきかげんの姿勢は頚椎に負担がかるので頭痛を起こしやすくします。長時間コンピュータ作業している人は、なるべく同じ姿勢を続けないように心がけ、仕事の合間に背伸びをしたり、腕を回したり、軽いストレッチングをして筋肉の緊張をほぐすようにしましょう。
メガネや枕が合わないことによって、知らず知らずのうちに身体にストレスがかかり、頭痛が起こることがあります。
頭痛の予防と治療(丸山咬合治療法)
あごのずれによる不良姿勢、そして姿勢の不良による筋肉の過緊張、とくに首が前かがみの状態による首すじのこり(後頭筋群や側頭筋群の僧帽筋の過緊張など)が血管と神経を圧迫します。このことが脳への血流を不全にし、筋肉を緊張させ、神経系に影響して頭痛が生じると考えています。そのため、あごの位置を治すことによって、これらの現象が改善され、頭痛が改善・消失すると考えています。
目が見えにくい
目が見えにくい、なんか目がはっきりしない、眼精疲労、などの症状を訴える患者さんもちょくちょくみられます。
このような症状をあわせもつ患者さん(主たる訴えは目の症状以外である)に対して診査・診断の結果にもとずいてあごの位置をバイトスティックによって是正すると、目がよく見えるようになったり、明るくなったりします。
このように丸山咬合治療を受けることによって目がよく見えるようになるメカニズムは、やはり筋の過緊張と深いかかわりがあります。目がよく見えるのは、目のピント調整(遠近調整)をする毛様体筋の働きによります。近くを見るときは毛様体筋が縮小し、毛様体突起が伸び毛様体小帯が緩みます。すると、水晶体は自己の弾性で緩み、厚みを増やします。反対に遠くを見るときは水晶体が薄くなり瞳孔は散大します。すなわち、目が見えにくいなどの症状は毛様体筋の筋力不足によるものと考えられます。そのほかにストレスなどの心理的な要素も、このような症状とかかわりがあると考えます。また、咬合治療法を受けると視野が明るくなったと患者さんが驚きます。これもあごのずれを正しくすることによって、筋の緊張が改善されたことによると考えます。眼球の前には、ぐるりとまぶたが輪をつくっています。上は上眼瞼、下は下眼瞼といい、眼輪筋とまつ毛から成り立っています。
あごのずれを治すことによって、この眼輪筋の筋緊張が改善され、正常に収縮と弛緩が行なわれるようになります。そのため、まぶた、とくに上眼瞼が開き、辺縁視野が広がります。そのため患者さんは明るくなったと感じるわけです。
難聴・耳鳴り
音は、次のようなメカニズムによって感受されます。
① 音波は耳介によって、外耳に進みます。
② 音波による圧振動を鼓膜に生じます。
以下省略・・・・・・・
いろいろな経路を経て最後に大脳皮質の聴覚野に達し音として感受されます。
この複雑なメカニズムのなかにあって、難聴がどのように生じるかは種々の原因が考えられています。
ここでは、それらについては省略しますが、わたしの咬合治療によって難聴が改善・消失されるのは、次の理由によると考えています。すなわち、耳小骨の可動に関与する小骨筋の問題です。少しこれらの筋について解説しましょう。
あごのずれによって、これらの筋の異常、たとえ筋が硬直して正常に機能が営めなくなって難聴が生じると考えられます。このような状況下にあって下顎位が是正され、筋の硬直が、緩和されて難聴が改善・消失するものと考えます。
難聴・耳鳴りの不定愁訴の一つとして訴える患者さんもよくみられます。私の臨床経験からあごのずれを治すことによって難聴・耳鳴りは改善・消失する患者さんとそのような治療をしてもほとんど効果のない患者さんがおります。
あごのずれを治すことによって難聴・耳鳴りが改善されるメカニズムについて、わたしは次のように考えます。聴覚における耳の働きとその構造は非常に複雑です。音の伝達器としては外耳(耳介・外耳道)、中耳(鼓膜・鼓室・耳管)が、感音器としては内耳(骨迷路・膜迷路)が関係します。これらのなかの鼓室はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨と言う三個の耳小骨が関節で連結し、音波の骨伝導をおこないます。耳小骨にはそれぞれ耳内筋(耳小骨筋ともいう)が付着しています。そして、外からの音に対して反射的に収縮して鼓膜と小耳小骨の振動を制限し、中耳の伝音効果を低下させています。あごのずれに起因すると考える難聴や耳鳴りは、筋の過緊張による耳内筋の機能不全がかかわりをもっていると考えます。
首筋のこり
首すじこりを訴える患者さんは、肩こりや腰痛などと違い比較的少ないですが、触診をしてみると患者さんの自覚はないもかかわらず、かなりきつい首すじのこりをもっていることが多いのです。首すじのこりは案外自覚しにくいもののようです。しかし、逆に首すじのこりを主訴としている患者さんはその症状はかなり重篤であり、その他の不定愁訴もいろいろもっていることが多いようです。
首すじのこりは触診による硬直や痛みによって、下部(第七頸椎から第五頸椎あたり)、中部(第五頚椎から第三頚椎あたり)、上部(第三頚椎から第一頚椎まで)に分けられます。下部頚椎から上部頚椎まで広範囲に硬直と痛みをもっている患者さんと、上部頚椎のみしか硬直や痛みを訴えない患者さんとに分かれるようです。
さてこの第一頚椎から第一胸椎までは半径十七センチの円弧、すなわち彎曲を描いています。あごずれがあると、頚椎のこの正しい円弧がきつすぎたり(過彎)、直線になったり(直線)、逆カーブ(逆彎曲)になったり、S上状(S字彎曲になったりして、配列形態が異常になります。
このような頚椎の異常配列は筋肉の異常緊張を生じ、この部位にある血管や神経を圧迫し、いろいろな問題を引き起こします。わたしが全身の健康とのかかわりからとくに注意しているのは、上部頚椎の問題です。第一頚椎の環椎、第二頚椎の軸椎は頭蓋骨との間に関節機構をもつものであり、解剖学的にも血管、神経との関係から重要なものです。重要ことが[それがネックだよ]といわれるのもまさにこのこと、この部位をさすものでしょう。
肩こり
肩こりは、不定愁訴のなかでもっとも多くみられるもので、とくに女性に多くみられます(男性には腰痛が多い)。
いろいろな理由から(とくにあごの側方的なずれ=咬合異常や異常習癖)生じたあごのずれのために首や肩の周囲の筋肉に異常緊張が起き、痛みをと もないます。
このような筋肉の異常緊張は肩だけでなく、多くは背中や腰にも及びます。
肩こりを訴える患者さんの腰を触診すると、患者さんは自覚していないにもかかわらず、腰の筋肉の硬直があることが極めて多くみられます。
わずかのあごのずれによっても症状が出現するようです。
これはあとで記述するMPAによる治療中に経験することです。
このことは、あごの位置が首や肩と位置的に接近していることにより、あごのずれが極めて鋭敏に反映されるからであると考えます。このことは首すじのこりにもいえることです。いろいろ不定愁訴の出現している部位とあごとの距離が影響すると考えられます。
五十肩・四十肩
四十肩・五十肩を訴える患者さんも実に多くいます。
そして、整形外科・カイロプラティック・柔道整復・鍼灸など訪れ治療を受けたが、よい結果が得られず、苦しみ・悩んでいます。あごのずれを治すことによって、四十肩・五十肩の著しい改善がみられています。
とくに腕が痛くて上がらないという患者さんに診査しバイトスティックによりあごのずれを正しい位置にもっていくと、即座に痛みが消え、腕も上がります。
患者さんはおおいに驚嘆し喜ばれます。
手足の痺れ・冷え・汗をかく
四十肩・五十肩を訴える患者さんも実に多くいます。
そして、整形外科・カイロプラティック・柔道整復・鍼灸など訪れ治療を受けたが、よい結果が得られず、苦しみ・悩んでいます。あごのずれを治すことによって、四十肩・五十肩の著しい改善がみられています。
とくに腕が痛くて上がらないという患者さんに診査しバイトスティックによりあごのずれを正しい位置にもっていくと、即座に痛みが消え、腕も上がります。
患者さんはおおいに驚嘆し喜ばれます。
胃腸障害
丸山咬合治療法をおこなうことによって、胃腸の障害が改善・消失した症状には食欲不振、嘔吐、胸やけ、腹部膨満感、胃腸障害、庇が出やすい、便秘、下痢などがあります。
これらの症状は、腹部の上部、すなわち胃のを中心としたものと腹部の下部、すなわち腸を中心としたものとに分けて考えたほうがよいと思います。
胃には、摂取した食物をためておく貯溜機能、胃酸を混ぜ合わせてドロドロにする攪拌(カクハン)・混和機能、蠕動・収縮によって十二指腸に送り出す排出機能という連続した複雑な運動機能があります。
はじめにしっかり貯溜するために、胃が十分にリラックスして、摂取した食物の量に応じて胃壁を広げることが大事です。この胃のリラクゼーションが障害されると、胃が膨らまず十分な量が摂れないし、
次に起こる排出機能も障害され、腹部膨満感、胃のもたれ、食欲不振などの不快症状を引き起こすといわれています。このようなメカニズムで起きる胃の不快症状は当然のことながら、
あごのずれによって生じる筋肉の過緊張やパワー不足によると考えることができます。
生理痛・生理不順
近頃の若い女性が訴える多くの不定愁訴のなかでも、肩こり、手足の冷え、便秘、生理不順、生理痛をあごのずれによる四大症状とみなしています。それほど典型的に、かつ、頻繁にみられる症状です。そしてあごのずれを治すことによって生理不順。生理痛が改善・消失しているという事実からあごのずれがホルモン・内分泌系、とくに女性ホルモンになんらかのかかわりをもっていると考えられます。
生理不順・生理痛とは直接に関係はありませんがいろいろな不定愁訴を訴えて(主訴は不妊ではありません)こられた患者さんにわたしがあごのずれを治療しているなかで、この二年間に不妊で数年間悩んでおられた患者さん十数名が妊娠されました。彼女たちは非常に喜び、おおいに感謝されました。
便秘・下痢
いろいろな不定愁訴のなかでも、便秘や下痢を訴える患者さんは非常に多くみられます。
とくに、若い女性には便秘が多く、男性には下痢が多く見られます。便秘のうち、特定の病気が原因でしか起こらない機能性の便秘が慢性になったものが、いわゆる常習性便秘で、便秘の多く場合がこれに当ります。専門的には弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘にわけられています。弛緩性便秘は、大腸の緊張が低下し、蠕動運動が減弱して腸内容の通過が遅くなり、水分が吸収されて糞便がかたくなります。直腸性便秘は、糞便が直腸に入ると直腸壁が緊張して内圧が亢進して排便反射が生じますが、この反射の抑制により排便困難となります。痙攣性便秘は副交感神経の過緊張により、下部大腸に痙攣性収縮が生じて糞便の通過が障害されるものです。懲りこのような三つの便秘のうち、蠕動運動の障害による弛緩性便秘と副交感神経の過緊張による痙攣性便秘が、あごのずれとのかかわりがあると考えます。
下痢は、なんらかの原因によって大腸の内容物が急速に通過するため、腸管での水分吸収がうまく行わない、あるいは腸粘膜からの水分が過多に分泌されるといった場合に起こります。いずれの場合も運動が異常に高まり、下痢となります。その経過から、急性と慢性にわけられますが、急性の場合は、体内の毒物を体外に排泄する一種の生理的な防護反応である場合があります。不定愁訴として問題になるのは慢性の下痢で、過敏性大腸症とアレルギー性胃腸炎と牛乳不耐症に分けられます。過敏性大腸症の原因は、精神緊張(ストレス)が自律神経に影響を与えるとされています。アレルギー性胃腸炎はアレルギーの原因になる食物が起こす体質的なものであり、牛乳不耐症は乳糖を分解する酵素の欠乏している人に起こるものです。このような成り立ちをみると、自律神経の影響による過敏性大腸症があごのずれとかかわりがあるように思われます。これら便秘も下痢も、大腸の蠕動運動の異常が大きな原因ではないかと考えられます。すなわち、大腸は構造上、粘膜の内側に輪走筋が層をなし、弛緩と輪走筋の蠕動運動が営まれています。この輪走筋に過緊張が起こり、これらの蠕動運動がなめらかに行なわれないことによるのではないかと考えられます。
腰痛
腰痛は、厚生労働省の国民生活基礎調査(2001年)の健康調査では男性でトップ、女性では肩こりに次いで多く、ざっと1000万人以上の人々が腰痛に悩んでいます。
腰痛はいろいろな原因により生じます。そのなかでもっとも多くみられるのは次のような成り立ちです。背骨は、椎骨が椎間板というクッションを挟んで積み重なっています。
筋緊張の異常によって腰椎のずれや圧迫が起こり、その椎間板がつぶされたりひび割れたりすると、中のゼラチン状の髄核が押し出され、これが神経を圧迫して腰痛が起こります。
治療には、一般的に大きく分けて、安静にしながら痛みをやわらぐのを促す保存治療と、手術、レーザーなどでヘルニアの圧力を減らす方法とがあります。痛みを止めることよって血行がよくなり、痛みの原因となる物質が流され、患者の治瘉力を高める治療を考える必要があるといわれています。
現在、腰痛に悩まされている患者さんは非常に多く肩こりと同様に不定愁訴のなかでもっとも多くみられるものの一つです。肩こりが女性に多くみられるのに対し、男性に多く見られるようです。腰痛が肩こりと異なる点の一つに次のようなことがあげられます。
腰痛はいろいろな病名がつけられることが多く、しばしば器質的な変化に及んでいることがあります。さらにたとえば椎間板ヘルニアなどの病名のもとに、手術の対象になっていることが多いようです。一方、肩こりはもっと日常茶飯事に経験されることとして取り扱われています。
腰痛も、肩こりと同様にあごのずれ、とくに側方的ずれによって生じる姿勢の異常と、それにともなう筋肉の異常緊張によって腰の筋肉に硬直や痛みを生じるものです。そしてあごのずれを生じる異常を修正することによって、腰痛は容易に改善・消失するようです。肩こりは、単に筋肉の過緊張にともなう筋肉の硬直や痛みですが、腰痛は腰椎の圧迫が神経を圧迫することによって痛みを生じることがあります。
あごのずれを治すことによって筋肉の硬直が緩解され、筋肉の左右バランスがはかられ、筋力の増強が得られるため、この腰椎のずれが是正されることになります。そのため、神経への圧迫が軽減あるいは取り除かれ、痛みが軽減・消失することになります。
腰痛の予防には、椎間板は曲げたりねじったりするのに弱いので、物を持ち上げるときに膝を使うように心がけます。背筋や腹筋は背骨への負担を軽くします。筋力の向上・維持が予防や治療につながります。体重にも気を配りましょう。
その他の症状
抜け毛が多い
不定愁訴とはいえないかもしれませんが、代表的に不定愁訴を訴えて訪れた患者さんの あごのずれを治療する過程において、患者さんから洗髪の際従来見られていた抜け毛が大幅に減少したということをたびたび聞かれます。このような事実の背景として、あごのずれを治すことによって、頭皮への血流量が増加することや、頭部の筋の過緊張が緩 和されるなどから、毛根への栄養の供給量が増加し毛根の把持力が増強したことなどが推測できます。
眼瞼下垂
この眼瞼下垂も不定愁訴とはいいがたいですが、代表的な不定愁訴にあわせて、このような訴えをもっている患者さんも多くおります。そして主たる不定愁訴をもつ患者さんのあごのずれの治療過程において、眼瞼下垂が改善されることが多くみられるだけでなく、眼瞼下垂を主たる訴えとして来院した患者さんにおいても、あごのずれを正しくすることによって即座に上眼輪筋の筋緊張が緩和され、まぶたが正常な状態に復すると考えられます。
唾液が少ない・風邪をひきやすい・血糖値が高い・不整脈
このようないろいろいな愁訴が改善されたり、消失されることがあります。これらの愁訴のうちとても想像できないものまで改善・消失されることがあります。さらにそれらの症状が改善・消失するメカニズムが容易に想像することができることもありますが、とても想像すらできないものもあります。
いろいろな不定愁訴があごのずれを治すことによって改善・消失する背景(メカニズム)が現時点で理解でないものについては、将来解明されると考えています。ただ、重要なことは、あごのずれを治すことによって、それらの愁訴が改善あるいは消失したという事実です。