医療法人宏心会 横田歯科医院

予防歯科

予防歯科医療とは

“プロケア”“セルフケア”からアプローチが重要

予防歯科医療歯科における予防では、虫歯や歯周病にならないように「プロケア」と「セルフケア」を組み合わせることが大切です。
プロケアとセルフケア、どちらかだけを頑張っても、正しい予防にはならないのです。
当院では、歯科衛生士のケア専門の診療室がございます。歯科衛生士が主役となる予防とメインテナンスにおいて、確かな効果をお届けできる環境が整っています。
予防を今日から始めてみようという方、どのように予防に取り組んだらいいのか分からないという方は、ぜひお気軽に当院にご相談ください。

唾液検査で虫歯や歯周病の
リスクが確認できる!?

歯周病とは

歯周病とは歯周病とは、歯茎や顎の骨の炎症によって、歯茎の退縮・顎の骨の吸収を招くお口の感染症です。
顎の骨の吸収が進むと、やがて支えられなくなった歯は脱落してしまいます。歯を失う原因としてもっとも多いのが、この歯周病なのです。
当院では、唾液検査によって患者様の歯周病リスクを客観的に評価し、お1人おひとりに合った予防法を提案しています。

原因をチェックしてリスクをお知らせします

歯周病は、さまざまな原因が重なり合うことで発症します。
唾液検査で原因を絞り込み、リスクを把握することが、予防への第一歩となります。

  1. 細菌(プラーク・歯石)
  2. TCH(食いしばり)
  3. フレミタス(早期接触)
  4. 糖尿病(歯周病は糖尿病の第六の合併症)
  5. 歯列不正
  6. 不良補綴物(義歯)
  7. 小帯の異常
  8. 喫煙
  9. 薬害
  10. 口腔乾燥
  11. 治療薬
細菌(プラーク・歯石)
細菌(プラーク・歯石)プラークや歯石といった言葉は、多くの方が耳にしたことがあるかと思います。
ではそれぞれ、具体的にどのようなものなのでしょうか。
  1. 歯の表面には、唾液の成分の1つ「ペリクル」という糖たんぱく質によって、薄い膜が形成されています。
  2. そこにまず、虫歯菌が付着します。すると食べかすからグリコカリックスという粘性のある物質が作られます。虫歯菌に適した環境ができ、増殖が進みます。
  3. この状態が続くと、さらに歯周病の原因となる悪玉菌が侵入するようになり、同様に増殖が進みます。

こうしてできた細菌のかたまりのことを「プラーク」と呼びます。
プラークはセルフケアで除去することが可能です。ただし、磨き残しがあると、プラークはその後「歯石」となり、セルフケアで除去することができなくなります。

歯石は、歯科医院で定期的に取り除く必要があります。

TCH(食いしばり)
TCH(Tooth Contacting Habit)とは?
TCH(Tooth Contacting Habit)とは?日本語に訳すと、「歯列接触癖」となります。
これを分かりやすく言い換えたものが、一般的に使用される「食いしばり」です。
通常、リラックスしているときは上の歯と下の歯には空間(安静位空隙)があります(1~3ミリ)。食べ物を噛むとき、飲み込む(嚥下する)とき、喋っているときには接触がありますが、もちろんこれは正常な歯の接触です。
TCHは、これ以外の時間において、上下の歯を持続的に接触させる癖がある状態を指します。歯のすり減りをはじめとするさまざまな影響がありますが、多くのケースでご自身で気づいていない、あるいは気づいていても普通のことと認識している実態があります。

※乳歯列期の歯ぎしりは、歯の位置・顎の位置を正しい位置へと導くための生理現象として起こります。そのため、基本的には問題ありません。

TCHはなぜ起こるのか?

TCHの原因には、緊張や不安、精度の求められる作業(テレビゲーム等を含む)に集中したときの癖、うつむいた姿勢など、さまざまなものが挙げられます。こういった時間が長くなることで、脳が「歯を接触させる状態」に慣れ、TCHが慢性化するものと考えられます。
そのほか、歯並びや噛み合わせの乱れが原因となることもあります。

TCHのある人に見られる特徴
  • 舌の縁に歯の跡(ガタガタとした跡)がついている
  • エラが張っている
  • 口腔内に骨隆起がある
  • 頬の粘膜に咬合線がある
  • 起床時の顎の倦怠感
  • 歯の根元付近のへこみ
(TCH)歯ぎしりが起こす全身への影響

1.歯への影響
・歯のすり減り
・歯の欠け、破折
・知覚過敏

2.歯周組織への影響
・歯肉炎
・歯周病
・歯肉の退縮
・顎の骨の吸収

3.顎関節への影響
・顎関節症(口を大きく開けない、カクカクと異音がする)

4.全身への影響
・顔面痛
・頭痛
・肩こり、腰痛
・手足の痺れ

5.その他
・舌痛症
・倦怠感 など

フレミタス(早期接触)
フレミタス(早期接触)フレミタスとは、上下の歯を噛み合わせたときに起こる、歯のわずかな揺れのことです。
前歯に指を当てた状態でカチカチと噛んでみて、そのときに歯が揺れる感覚がある場合には、フレミタスが疑われます。
糖尿病(歯周病は糖尿病の合併症)
糖尿病(歯周病は糖尿病の合併症)糖尿病は、歯周病との関連が特に強く指摘されている全身疾患です。
糖尿病の方は、歯周病になりやすい・重症化しやすい

糖尿病は、生活習慣の乱れなどによって慢性的に高血糖にある状態を指します。高血糖が続くことで、歯周病などの感染症にかかりやすくなります。糖尿病ではない健康な人と比べると、そのリスクは2倍以上となり、かつ重症化しやすいと言われています。

歯周病の悪化により糖尿病も悪化する

歯周病が悪化すると、歯周病菌の出す毒素が歯周ポケットを介して血管に入り込み、TNF-αという物質が分泌されます。これによってインスリンの働きが低下し、さらに糖尿病が悪化してしまいます。
歯周病をしっかりと治療することで、糖尿病の悪化を防ぎましょう。

歯列不正
歯列不正上下の歯列の位置がずれており、これによって噛み合わせの異常をきたしたり、顎の成長へと影響するような状態を指します。
歯並びに起因するものと、顎の骨に起因するものがあります。日常生活やお口の健康への影響がある場合には、治療が必要です。
不良補綴物
詰め物や被せ物、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの補綴物の形状や位置が不適切である状態を指します。
噛み合わせを乱したり、虫歯・歯周病リスクを上昇させたりする原因になります。
小帯の異常
小帯とは、口腔粘膜と歯茎をつなぐ「筋(すじ)」のことです。
具体的には、上唇をめくったところにある「上唇小帯」、下唇をめくったときに両わきに見える「頬小帯」、舌の裏にある「舌小帯」が挙げられます。
これら小帯の異常のうちで多いのが、「上唇小帯異常」です。
1歳半健診や3歳児健診などで指摘されることがあります。上唇小帯が太く長く、前歯のすぐそばにまで達しています。
多くは自然に切れることで治りますが、なかなか切れない場合には切除が必要になることがあります。
喫煙
喫煙喫煙がお口の健康にも良くないということは、多くの方が知るところとなりました。
中でも、歯周病と深い関係があります。
歯周病とタバコの関係

タバコの煙(主流煙・副流煙)には、約4,000種類の化学物質、200種類の有害物質、37種類の発がん物質が含まれています。

歯周病を発症しやすくなる

ニコチンによって血管が収縮し、歯茎の血行が悪化します。これにより、歯・歯茎に十分な酸素と栄養が行き届かなくなります。
結果、歯茎の抵抗力が下がり、歯周病を発症しやすくなります。

喫煙者の口腔はこんな状態

  • 歯の着色汚れ
  • 歯茎は紫っぽい、黒っぽい
  • 炎症・出血が起こりにくい(歯周病に気づきにくい)
  • 唾液が少ない

副流煙にも注意が必要

喫煙者が自分のタバコから吸いこむ煙(主流煙)よりも、タバコの点火部から立ち上がる煙(副流煙)の方が毒性が強くなっています。
喫煙しない方も、副流煙を吸わないように注意しなければなりません。

薬害
薬害病気の治療のために使用しているお薬が原因になって、「歯肉増殖」を起こすことがあります。
歯肉増殖の原因となり得る薬には、以下のようなものが挙げられます。
  • 抗てんかん薬(フェニトイン)
  • 高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬・ニフェジピン)
  • 免疫抑制剤(シクロスポリン)

薬の変更、プラークコントロールによる治療が必要です。また場合によっては、歯周外科治療が必要になります。

口腔乾燥
口腔が乾燥すると、免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。
口腔の乾燥とは「唾液の減少」を意味することから、その唾液に含まれる白血球、リンパ球、貪食細胞が不足し、歯茎の健康が障害されます。


原因の一つに服薬している薬が口腔内の乾燥を引き起こす場合があります。主に利尿剤(ラシックス、フルイトラン)、抗コリン剤(アトロビン、ブスコパン)、抗ヒスタミン剤(ポララミン、レスタミン)、抗パーキンソン剤(アーテン、アキネトン)、向精神薬(抗うつ剤、トランキライザー)などがあげられます。

以前より口腔内の乾燥が気になる方は、当院へご相談下さい。

治療薬
治療薬当院の歯周病治療では、主に以下のような薬を使用します。
  • ツムラ率効散エキス顆粒
  • ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒
  • ツムラ黄連湯エキス顆粒
  • ツムラ茵蔯蒿湯エキス顆粒
  • ツムラ五苓散エキス顆粒
  • ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒
  • ツムラ排膿散及湯エキス顆粒
  • ジスロマック(抗菌薬)
  • 次亜塩素酸電解中性水素水(殺菌水)

当院は管理型予防歯科をご提案

当院は『管理型予防歯科』で歯の状態に寄り添って治療を行います

管理型予防歯科患者様おひとりおひとりのお口の状態・リスクを把握した上で、個々に合ったプログラムを立案・提案いたします。
また当院では、歯科衛生士のケア専門の診療室を完備しております。歯科衛生士が主役となる予防・メインテナンスにおいて、その力をしっかりと発揮できる環境が整っています。
歯石除去(スケーリング)

セルフケアでは除去できない歯石を、専用の道具を使って徹底的に取り除きます。

詳細はこちら

歯のクリーニング(PMTC)

専用の道具を使った、特別な歯面清掃です。クリーニング後は歯がツルツルになっており、プラークの付着率も低下します。

詳細はこちら

唾液検査

採取した唾液の成分を解析し、患者様の虫歯・歯周病リスクを評価します。
お1人おひとりに合った予防プログラムを組むのに役立ちます。

予防歯科のメリット・デメリット

予防のことを考えてはいるけれど、なかなか一歩を踏み出せない…。
そういった方は、改めて予防歯科のメリット・デメリットを考えてみましょう。

<メリット>
  • 虫歯・歯周病のリスクを下げられます
  • 虫歯・歯周病にならないことで、歯、そしてお口の健康が長持ちします。
  • お口の健康が長持ちすることで、長く自分の歯を使って、好きなもの・栄養のあるものを食べられます。
  • 自分の歯を長く使えることで、外出・外食・旅行などをより楽しめます。
  • 好きなもの・栄養のあるものを食べられること、精神的な健康が保たれることから、生涯での医療費を抑えられる可能性が高くなります。
<デメリット>
  • 歯石取りなど、痛みを伴うことがあります。
  • 定期的に歯科医院に通う必要があります。(特に問題がなければ、30分~1時間程度のことです)
  • 受診ごとに費用がかかります。

デメリットについても敢えて列挙しましたが、総合的に考えると、メリットの方が大きいことは明らかです。
また、歯石取りに痛みを伴う場合には、麻酔を使用することができます。

当院では、麻酔そのものの痛みも軽減できるように工夫しておりますので、ご安心ください。
費用についても、予防歯科に取り組んだ方が、生涯での医療費は抑えられる可能性が高くなります。

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