PMTC(歯のクリーニング)と
歯石除去は違うもの!?
PMTCと歯石除去、どちらも歯科医院の治療の1つとして、耳にしたことのある方も多いかと思います。
ただ、両者の違いについては、一般にあまりよく知られていません。
保険診療か自費診療科
もっとも分かりやすい違いは、PMTCが自費診療であり、歯石除去は保険診療という点です。
この点を頭に入れておくと、以下の違いが分かりやすくなります。
目的の違い
歯石除去の目的は、歯石の除去し、虫歯や歯周病を改善・予防することです。そのため、歯石除去の適応であることを確認するための検査が必要です。
一方でPMTCは、自費診療であるためどのような目的であっても構いません。予防目的でも、審美目的でも、あるいはお口をスッキリさせたいから、という理由でも受けられます。また、虫歯や歯周病の診断を受ける必要もありません。
使用する道具の違い
PMTCと歯石除去では、使用する道具にも違いがあります。
PMTCでは、ブラシ、カップ、ポイント、チップといった道具を使用します。
一方で歯石除去では、スケーラーという道具を使用します。
PMTC(歯のクリーニング)
PMTCとは
歯面はツルツルになり、汚れ・プラークの付着性が低くなることから、虫歯・歯周病予防に有効です。
PMTCにより期待できる効果
虫歯予防
プラークを除去し、さらにプラークの付着性を低下させるため、虫歯リスクが低減します。また、フッ素が浸透しやすくなることから、フッ素塗布などによる虫歯予防効果も高まります。
歯周病予防
プラークの中には、歯周病菌も含まれています。プラークを除去し、その付着性を低下させるため、歯周病リスクも低減します。
歯質の強化
PMTCでは歯と同じ成分を配合したペーストを使用します。これによって、歯の再石灰化が促されます。
汚れの除去
表面的な汚れであれば、PMTCによって除去が可能です。また、汚れが付着しにくくなり、その白さが長持ちします。
歯の着色が気になるけれどホワイトニングには抵抗がある、という方にもおすすめです。
PMTCの流れ
Step.01口腔内検査
Spte.02歯石除去
Step.03PMTC
Step.04フッ素塗布
PMTCの費用・治療期間・副作用
費用 | 14,300円(税込) PMTC(税込:11,000円)+フッ素塗布(税込:3,300円) ※虫歯・歯周病治療が必要になることもあるため保険証をお持ちください。 ※初めて受診される方は料金が異なります。事前にお問合せください。 |
---|---|
治療時間 | 約1時間 |
この治療の 副作用・ リスク |
|
歯石除去
歯石除去とは
歯石除去とは、スケーラーという専用の道具を用い、プラークが石灰化して歯にこびりついた「歯石」を除去する治療です。
歯石はセルフケアでは除去できないため、定期的に除去する必要があります。歯石そのものが悪さをするということはありませんが、プラークが付着しやすい性質を持っているため、放置していると虫歯・歯周病のリスクが上昇します。
歯石除去により期待できる効果
定期的な歯石除去により、以下のような効果が期待できます。
- 虫歯・歯周病予防に役立つ
- 歯周病の改善ができる
- 口臭を予防する、改善する
- 口元の見た目が良くなる
- 歯茎の引き締めが期待できる
歯茎で炎症を起こしている場合、歯石除去に出血・痛みを伴うことがあります。ここでの出血は、治療の過程で生じるものであり、毒素の排出の意味があるため、心配する必要はありません。
歯石除去の流れ
Step.01口腔内検査
Step.02
レントゲン検査・歯周病検査
Step.03歯石除去
歯周病治療
歯周病とは
炎症によって歯茎が下がる・顎の骨が吸収されることとなり、歯がグラつき、最後にはその歯を失ってしまいます。
現在、国内の30歳以上の方のうち8割以上が歯周病だと言われています。もちろんその中には初期の方も含まれていますが、ほとんど症状がないため気づかぬうちに進行し、受診したときには手遅れ(抜歯しかないという状況)になっているケースも少なくありません。こういった性質を持つため、歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気)のうちの1つに数えられます。
自覚症状が少ない歯周病…
このような症状ありませんか?
歯周病は、ほとんど症状なく進行します。以下のような症状が現れている方は、すぐに当院にご相談ください。
歯周病の予防、早期発見・早期治療のためには、定期検診が大切です。特に30歳以上の方は、痛みなどの症状がなくても、定期検診に通うようにしましょう。
- 歯磨きのときに出血がある
- 歯茎が真っ赤、紫っぽい
- 歯茎がムズムズする、痛い
- 歯茎の腫れ、退縮(歯が長く見える)
- 硬い食べ物が食べづらくなった
- 口臭が強くなった
- 食べ物がよく詰まるようになった
※1つ以上当てはまる方:歯周病の可能性があります。歯科医院で予防・治療に努めましょう。
※3つ以上当てはまる方:歯周病が進行している可能性があります。早めに歯科医院を受診し治療を受けましょう。
※6つ以上当てはまる方:歯周病がかなり進行している可能性があります。早急に歯科医院を受診しないと、歯を失ってしまうことになります。
歯周病の治療法
セルフケア指導
毎日のご自宅でのセルフケアを改善します。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシ・デンタルフロス・洗口液などを使って、正しい方法で正確にプラークを除去します。
スケーリング・
ルートプレーニング
歯冠部や歯周ポケットの歯石・プラークを、専用の道具を使って徹底的に除去します。これにより炎症を改善し、歯周病の進行を防ぎます。
セルフケア指導とあわせて、「歯周基本治療」と呼びます。
歯周外科治療
中等度、重度の歯周病では、歯周基本治療だけでは十分な効果が得られません。
そのため、外科的な治療として、「フラップオペ」という手術が必要になることがあります。歯茎を切開し、歯の根を露出させた状態で、歯周ポケット奥深くの歯石・プラークを除去します。
また、吸収された顎の骨の再生を促す「リグロス」(保険診療)、「エムドゲイン」(自費診療)といった外科治療を行うこともあります。
当院は国家資格である
“歯科衛生士”が多数在籍!
歯の健康をサポートします
歯周病の検査・診断、あるいは歯周外科治療は歯科医師が行いますが、歯周病治療で必ず行われる「歯周基本治療」で中心となるのが、歯科衛生士です。
当院には、20人以上の歯科衛生士が在籍しており、またその1人ひとりが高い知識と技術を身につけています。歯石やプラークを丁寧に、かつ徹底的に除去しながら、患者様のお口の状態に合ったセルフケアの指導をいたします。
また、歯科衛生士のケア専門の診療室を完備しているため、歯を削る音などがしない、落ち着いた雰囲気の中で歯周基本治療を受けていただけます。
もちろん、必要なときにはすぐに歯科医師と連携いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。歯科医師・歯科衛生士が協力して、患者様のお口の健康をサポートいたします。