歯周病はある日突然、重度の症状が出るのではなく、少しずつ進行する病気です。
軽度の段階では痛みがほとんどないため、症状に気がつかなかったり、「たいしたことはないだろう」と放置したりする人も多いようです。しかし、放っておくと症状はどんどん進行してしまいます。
そうなる前に定期検診だけでなくセルフケアをすることがとても大切です。
歯肉炎は歯周病の始まり
歯肉炎とは、歯肉(歯ぐき)が炎症を起こした状態であり、歯周病予備軍のことを言います。
症状としては歯肉の発赤や腫脹、出血などの炎症が起こりやすくなります。特に、歯磨きの時やフロス・歯間ブラシの使用時、りんごのような固い食べ物を噛んだ時に出血が見られます。
健康
歯肉炎
歯周病
歯肉炎の原因は、主に歯垢(プラーク)の蓄積です。
歯垢の中に存在する口腔内細菌が歯の周辺や表面、歯と歯の間など歯ブラシが届きにくい場所に付着することで引き起こされます。
口腔内細菌によって歯ぐきが炎症を起こして、赤く腫れてしまい、さらに進行すると、歯と歯ぐきの間に小さな隙間(歯周ポケット)ができます。
そのまま放置すると、歯肉の炎症が進み歯周ポケットは徐々に深くなり、歯周病が進行し重度になるだけでなく、知覚過敏や根面う蝕など、さらに深刻な疾患を引き起こす恐れもあります😭
さらに、喫煙は歯肉組織への血液や栄養の流れを減少させるため、喫煙者の歯ぐきは感染症を起こしやすい状態なので歯肉炎や歯周病の始まりに繋がります。
炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。
炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)などのリスクが高まると言われています。
歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ”ジンジパイン”というタンパク質分解酵素はアルツハイマー型認知症悪化の引き金となる可能性が示唆されています。
お口の中からのお助けサイン見逃してはいけません😲✨
歯肉の色が赤い、もしくは、どす黒い。 |
歯と歯のあいだの歯肉が丸く、腫れぼったい。 |
歯肉が、疲労時やストレスがかかっているときに腫れやすい。 |
歯肉が退縮して、歯と歯のあいだにすき間ができてきた。 |
歯が長く伸びてきた。 |
歯の表面を舌でさわるとザラザラする。 |
歯みがき時などに歯肉から出血しやすい。 |
起床時に口が苦く、ネバネバして気持ち悪い。 |
歯肉を押すと白い膿がにじみ出てくる。 |
歯の動揺がある。 |
歯と歯のあいだに食べ物が挟まりやすい。 |
上顎の前歯が出てきた。 |
人から口臭があると言われる。 など |
一つでも当てはまる物があれば、あなたも少しずつ進行しているかも・・・。
歯肉炎は、歯磨きを1日2~3回、少なくとも2分間ブラッシングをすることなどの、適切なオーラルケア習慣を継続することで、歯肉炎リスクの軽減につながります。
また、早期に歯科医院で治療を受けることで、治すことができます。
歯周病になってしまうと、歯肉炎の時と同じように歯磨き指導や歯石除去だけでなく、歯周外科や被せ物のやりかえ・噛み合わせの調整・生活習慣指導・全身の健康管理が必要です。最悪の場合には、抜歯となることもあります。治療期間が長くなるだけでなく、費用もかかってしまいます。
歯科医師や歯科衛生士は、歯肉炎の症状が現れる前に問題を見つけ出すことができるため、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です😊
当院には、歯周病を専門とする日本歯周病学会認定医が常勤で在籍しております。
いつまでも健口で楽しく食事ができるように、症状が悪化する前に定期検診や歯周病治療を受けましょう!😁