みなさんは歯医者さんにどのようなイメージを持っているでしょうか。ほとんどの場合、歯医者さんはプラスのイメージよりも、「痛い」、「怖い」といったマイナスのイメージを持たれることが多いと思います。
みなさんも憂鬱な気分を持ちながらも、忙しい時間に都合をつけて、せっかく来たのだからと、我慢しながら治療を受けていないでしょうか。患者様のなかには、歯科治療に対して極度の怖がりや痛がりのために、歯医者さんに行くのを途中であきらめたり、歯がボロボロで治療は受けたいけど、なかなか行く勇気がなく放置してしまっている方もいらっしゃいます。
このような歯科治療が苦手なかたが安心して、リラックスしながら歯科治療を受けるひとつの手段として「精神鎮静法」といった方法があります。ここでは精神鎮静法のなかでも一般的に行われている「吸入鎮静法」と「静脈内鎮静法」について説明させていただきます。
まず、このような方が対象になります。
・歯医者さんに行くと緊張して、ストレスがある
・麻酔の注射や抜歯などの痛みを伴う治療が苦手で気分が悪くなった
・型取りや口の中に物を入れられると吐き気がする
・親知らずの抜歯やインプラントの説明を受けたが、恐怖心や不安がある
・麻酔の注射が効きづらいと感じる、もしくは言われたことがある
・病院や歯科医院に行くと血圧が高くなってしまう
・吸入鎮静法
亜酸化窒素(笑気)というリラックス効果のある麻酔ガスを鼻から吸う方法です。麻酔ガスと聞くと少し怖い感じもしますが、身体への影響はほとんどなく、お子さまからご高齢の方まで幅広く使用ができ、とても安全性の高いものとなっています。麻酔からの覚めも早い(約5~10分)のが特徴です。この方法はお手軽ですが、完全に意識をなくすことは難しく、人によっては物足りないと感じることもあります。また、鼻が詰まっている人には効果が望めません。そのような場合は後述の静脈内鎮静法をお勧めします。
・静脈内鎮静法
静脈内鎮静法はリラックス作用のある鎮静薬を点滴から入れることによって恐怖心を取り除き、治療中の記憶を部分的に忘れさせることができます。効果は吸入鎮静法よりも高く、鎮静薬の感受性や治療内容にもよりますが、寝ている間に治療が終わったと感じる方もいらっしゃいます。しかしながら効果が高いぶん、終わった後に眠気が残ったり、治療前の食事や飲み物に制限があったりするデメリットがあります。
今回の記事は、少しでも歯医者が苦手な方々の助けになればと、精神鎮静法について説明させていただきました。しかしながら、不安・恐怖心を和らげる最適の方法は、信頼できる歯医者さんに通うことだと思います。上記の方法はもちろん、他に悩みなどがあればお気軽にスタッフにご相談ください。